今日の香りの1ページ【クローブ】~Today’s Essence~
1カ月1日1つの香り(精油)をご紹介。
今回は【クローブ】です。
この記事は
stand.fm にて配信中の内容を文字におこしたものです。
音声でもぜひお楽しみください。
∗*∗*∗ クローブ ∗*∗*∗
【クローブ】の精油(エッセンシャルオイル)
フトモモ科 / フレッシュな状態の花の蕾 / 水蒸気蒸留法で抽出
〈主な産地〉マダガスカル・インドネシア など
日本や中国で「丁子」といわれるクローブ。スパイスとしてもよく知られています。
インドや中国では、紀元前から殺菌や消毒に使われていました。
それだけ抗菌作用に優れていて、感染症のレシピに用いられることが多いです。
〈香りの印象〉
"歯医者さんの香り"とよくいわれます。濃厚なスパイシーな香りですが、ほんのり甘さも感じられます。
クローブは、華が開いてしまうと急速に香りが無くなってしまうため、その香りを採取するには
蕾である必要があります。
〈主な成分〉
フェノール類 / エステル類 / セスキテルペン炭化水素類
フェノール類が大半を占めます。強い抗感染、特に抗菌は大得意です。抗寄生虫作用もあります。
免疫刺激作用や温める作用(加温作用)もあります。
フェノール類のほとんどは、オイゲノールという成分です。強力な抗酸化作用や鎮痛作用があります。
また、子宮収縮作用があるため、妊婦さんは避けて下さい。逆に出産時に使う、ということもあります。
このオイゲノール、実はゴキブリ除けにも良いとされています。
普通のハーブの状態のクローブを窓際や玄関先に置いておくと、その匂いを嫌ってゴキブリが中に入ってこない
という話も聞いたことがあります。
他には、エステル類やβ‐カリオフィレンなどが含まれているセスキテルペン炭化水素が含まれています。
基本的に精油は、水よりも比重が軽いので水に浮かぶという性質があるのですが
このクローブは、比重が重いので、水に沈むという特徴もあります。
このように、鎮痛と殺菌作用を活かした歯痛のレシピは有名です。
また、肩こりや腰痛の痛みケアに、免疫を刺激して体力の回復や、香りを使って気持ちのアップに
これからの季節のイヤなゴキブリ除けなど、様々に使用できるクローブです。
ですが、香りも皮膚刺激も少し強いので、量やその方法などに充分注意して使用してください。
<参考文献>
川口三枝子 / すぐ使える アロマの化学 / BABジャパン / 2020年